インドは、日本に比べて色んなものが安い。

交通費なんて最たるもので、この前乗ったチェンナイ~バンガロール間の列車の運賃なんて、250円程度だった。

チェンナイ~バンガロール間と言えば、360kmはある。

これはちょうど、東京~名古屋間に匹敵する距離だ。

東京~名古屋間を新幹線で行こうと思えば、1万円くらいは掛かることを考えると、40分の1の値段だ。

これはまあ、極端な比較ではあるが、それでも2分の1から10分の1くらいの価格で色んなサービスを受けることが出来る。

しかし、安いだけあって、サービス自体の利便性はかなり低いものが多い。

例えば、以前も書いたが、列車のチケットを取るだけで、2時間近く掛かったこともある。
(まあ、その原因は僕の英語力不足が半分を占めるのだが、、)

価格は10分の1だが、効率は日本の5倍くらい悪いので、そのサービスを得るのに掛かる顧客の労働力や時間などを考えると、結局安いのか高いのかよくわからない。

今日も、日本円をインドルピーに換金しにいったが、恐ろしく時間がかかってしまった。

たくさんの外国人が集まる、タイのバックパッカーの聖地カオサンロードに行けば、換金なんて10秒で終わる。

まあでも、バンガロールの僕が住んでる地域は、外国人がたくさん来るような所ではないし、ドルでなく日本円を換金するのだから、10分くらいは掛かることを覚悟していた。

まあ、長くても20分くらいかな、と。

ところが、、、、

たかだか日本円をインドルピーに換金するだけで、なんと1時間も待たされた。

いや、、他にお客さんがたくさんいて忙しいなら分かるけど、客なんて僕以外に3組くらいしか来なかった。

しかも、窓口は5つくらいあるので、あと2つの窓口は客の対応をやっていない状態で。。

『日本円にして3万円程度の金額を換金するだけの作業に、従業員一人が1時間費やしてていいのだろうか、、、?』

と逆に心配になってしまう。

しかも、渡されたのは千ルピー札(2千円弱)の束。

これがまた、千ルピー札ってのが使えないお金なんだよな~。

千ルピーは、インドの紙幣の中で最も高額な紙幣だ。

しかし、同時に最も使えない紙幣でもある。

インドのそこらへんのお店にいくと、とにかくお釣りを置いてないことが多い。

百ルピー札を出しても、

「お釣りがない」

と言われて、結局欲しいものを買えないことがある。

五百ルピー札になると、結構嫌な顔をされる確率が高い。

ましてや、千ルピー札になると、恐らくそこらへんのお店ではかなり嫌な顔をされるだろう。

下手したら、相手にされないこともあり得る。

千ルピー札というものは、ジンバブエドルのように、額面は高くてもあまり使えないお金なのだ。

そんな使えないお金を大量に渡されても困ってしまう。

もらったお金が足りてるかどうか数えている隙に、隣のお客さんが強引に割り込んで来て、従業員はその人の対応を始めてしまった。

両替してもらうために、またその人が終わるまで待たなければならなくなった。

いやはや、何をするにも時間のかかる国ではある。

しかも、これだけ人を待たせているのに、従業員は全く急ぐそぶりも見せない。

日本人からみると、本当に不思議な光景に見えてしまう。

しかし、アジアを旅してて思うのは、そこで急ごうとする日本人の方が、他の国からみると不思議な光景に見えるのだろうということ。

つまりは、僕たちが当たり前に考えている、日本の基準の方が異常なのだ。

ワールドスタンダードに合わせるのであれば、何ごとも急がずに、焦らない焦らない、一休さんのような気持ちで生きていかなければならない。