日本には当然のようにあるべきものが、インドにはない。

それは、インドで生活をすると、至る所で痛感する。

まず、僕がそれを強く痛感したのが、トイレだ。

インドのトイレには、日本のトイレにだったら当然のようにあるべきモノが、ない。

ここまで言えば、察しがつく人も多いと思うが、そう”紙”だ。

トイレットペーパーなるものが、インドのトイレには置かれていないのだ。

まあ、そんなこと前情報である程度知っていたとは言うものの、それが実際に現実の出来事になると、やっぱりちょっと焦るもんだ。

タイのトイレでは、大体どこに行っても、便座の横に小さいシャワーがついていた。

このシャワーは、いうなれば”手動ウォシュレット”だ。

このシャワーは、先っぽに握る部分がついている。

その部分をグッと握ると、水が出てくるという仕組みだ。

で、そのシャワーを、便座と自分の尻の間に潜り込ませ、手動で尻に水を当てて汚れを落とすってわけだ。

この”手動ウォシュレット”も、最初の頃はどうしても抵抗があった。

だって、想像してみて下さいよ。

そのシャワーは、う○このついた尻よりも低い部分から、上に向けて水をぶち当てるわけでしょ?

すると、当然う○こエキスの混じった水が、したたれ落ちてくるわけだ。

それが、手についちゃったら、、

それがシャワーの先端の部分についちゃったら、、

前の人のう○こエキスが、このシャワーについてたら、、

そんなことを想像すると、とても気持ちよく使う事は出来ない。

なんて思ってたけど、人間の慣れってのはすごいもんで、使ってるうちに『結構便利でいいな』、なんて思うようになってくるんだよな~。

そうやって、タイ式のトイレには慣れた自分だったが、インド式になると、やはり抵抗があった。

インド式になると、そのシャワーすらついてない。

あるのは、水と計量カップみたいなやつだけ。

「え、ちょ、、ちょっと待、、。ええ~?!それを??まさかそのまま、、?

ええ~?!そんなんでいいの??」

インド式のトイレの使い方講座を開いたら、日本人の大多数はこういう反応になるだろう。

まあ、具体的に説明すると、水を入れた計量カップのようなものからちょっとだけ水をこぼす。

その水を手で受けて、その水を使って、尻を直接こする。

そう、もう直接に!

若干う○この感触がするとか、そんなのもう関係ない。

「こすれ!!」

ってことだ。

『多少、手にこびりついた所で、後で手を洗えばいいんだから構わん』という精神でいくことが重要だ。

『いや、、そんなこと言われてもちょっと、、、』

ってなる気持ち分かるでしょ?同じ日本人なら。。

まあ、そんなこと言っても、『郷に入れば郷に従え』って言葉もあるし、やりましたよ。

やってみたらね、不思議なもんでね、こんなことでも慣れてくるもんなんですね。

まだ、ネッチョリ系のう○この時はさすがにキツイな~と思うけど、とりあえず最初感じてたほどの抵抗感はなくなってきた。

いやむしろ、こうやって水と手でしっかりと汚れを落とした方が、紙でふくだけよりも、よっぽど清潔なんじゃないかってくらいに思うようになって来た。

昔々、インドか中東だかの旅人が、中国を旅したときに、紙で尻を拭く中国人達の文化を知り、こう日記に記したそうだ。

『中国人は、清潔ということに興味がないらしい』

手と水で尻を洗う文化圏の人達からすると、紙で尻を拭くという文化の方が、よっぽど不潔で理解出来ない文化だってことだね。

まあ、確かに、こっちに慣れてしまえば、言わんとしてることも分からんでもない。

とは言え、僕にはまだ慣れないことが一つある。

それは、『手で尻を洗った人達が、その手で作った料理を食べる』ということだ。

いや、もちろん普通のインド人はちゃんと、トイレの後にきれいに手を洗ってますよ。
でも、どの国に行っても、普通じゃない人って一定の確率でいるからなあ。。

タイやラオスで、ネズミが走り回ってるような屋台で、普通に食事出来るようになった自分だが、インドの汚らしい屋台には、未だにまだちょっと抵抗感を感じてる。

だからどうしても、マンゴーとかバナナとか買って食べたり、ちょっと小綺麗なお店で済ませちゃおうとしちゃうんだよな~。

こんなことでは、旅人レベルがいつまで経ってもアップしないので、明日あたりから勇気出してインドの屋台にもチャレンジしていこうと思います。