今日は、我がインド英語留学の地バンガロールに行く日だ。

バンガロールとは、インドのシリコンバレーと言われるIT都市で、インド南部の中央に位置する。

昨晩到着したチェンナイは、インド南部の東端に位置している。

そのチェンナイから、列車に乗って約7時間程行けば、バンガロールに辿り着く事が出来る。

今日はただひたすら、列車に揺られて移動するだけの一日だ。

ただ単に、列車に乗って移動するだけだったら、大して書く事なさそうに思うかもしれないが、そこはさすがにインド。

列車に乗るだけで、これだけ大変な思いをする国もそうないだろう。

という事で今日は、インドの列車に乗った話を書こうと思う。

朝起きて、バスに乗り、チェンナイセントラル駅に向かった。

駅の構内に入ろうとすると、警察が空港の荷物検査のように、金属探知機を持って一人一人調べていた。

『インドでは、駅に入るのにも、こんなチェックがあるんだな、、。

それだけ犯罪が多いという事だろうか、、?』

とか思いながら構内に入り、インフォメーションでバンガロール行きのチケットを買いたいと伝える。

すると、

「あっちの方の、”ファーストフロア”に行け。」

と言われた。

指差された方向にあるいて行っても、チケット売り場的なところは見つからない。

また別の人に聞いてみると、

「この建物を出たところにある”ファーストフロア”に行け。」

と言われた。

『”ファーストフロア”って一体なんだよ、、?』

と思いながらも、一度駅の建物を出て、少し新しめの建物に入った。

そこで、また尋ねてみると、

「この建物を出て、”ファーストフロア”に行け。」

と言われた。

『ええ?!この建物じゃないのかよ、、?』

と思いながら、またさっきの駅の構内に戻る。

めんどくさいことに、構内に入るときには、また荷物検査を受けなければならない。

構内に入り、駅を歩いていた警官に、バンガロール行きのチケット売り場を尋ねてみた。

すると、

「12時半に3番のプラットフォームから列車が出る。

そこで待ってろ。」

と言われた。

「いや、でもチケット持ってないんすけど。。」

と言うと、

「まあ大丈夫だろ。」

という反応をされた。

『いや、大丈夫じゃねえだろ、、。(汗)』

と思いながら、僕はもっと頼りになりそうな人を探す事にした。

現地の事を何も知らない僕たち旅人は、現地の人たちに頼っていかないと、生きていく事が出来ない。

しかし、現地の人の言う事をそのまま信じてはいけない。

基本的に、全ての人間を疑う、という姿勢でいった方がいい。

もちろん、全員が全員、自分の事を騙そうとしてくる人だというわけではない。

中には、親切に教えてくれるいい人もいる。

しかし、親切ないい人が正しい事を言うとは限らない。

日本人の場合、何か分からない事を聞かれると、

「分かりません。」

と答える人が多い。

しかし、国によっては、何も分かってないのに自信満々に、

「それならこっちだよ。」

という風に、適当な情報を教えてくる人もいるからだ。

なので、その人の話をそのまま真に受けてはいけない。

何人かに聞いてみて、

『大体この辺りが正解だろう』

という推測を自分で見つけていかなければならない。

ということで、また別の人に聞いてみた。

すると、

「新しい建物の”セカンドフロア”に行け。」

と言われた。

『ええ?!

今まで散々、”ファーストフロア”に行けって言われて来たのに、今度は”セカンドフロア”になったぞ。。

しかも、新しい建物ってことは、やっぱりさっき行った建物で合ってたのか、、?』

僕はがっくりとしながら、さっき行った建物へ向かった。

そして、2Fへ上がった。

(これは後で知ったことだが、日本の1Fのことをインドではグランドフロアーという。
で、日本の2Fのことをファーストフロア。3Fをセカンドフロアーと、1階ずつずらして数える。
これが分かっていれば、こんなに苦労はしなかっただろう。。)

そこにいた警官に、チケット売り場はどこか尋ねてみた。

すると、

「ここじゃない。

あいつに聞いてみろ。」

と言われた。

そしてその駅員風の男に聞いてみると、

「ここだ。」

と言われた。

『なんなんだよもう、、、。』

と思いながらも、ようやくチケット売り場に辿り着いた。

チケット売り場を見つけるだけで、既に30分。

この駅、分かりにくすぎる。。

チケット売り場に入ってみると、行列ができていた。

そして、その行列で待ってる人たちの手には、なにやら紙が。

『どこかに記入用紙があるんだろうな。』

と思い、見渡すと、あったあった。

よく分からない記入用紙を記入。

行列を待って、自分の順番になった。

すると、

「お前は外国人だから、裏に回れ。」

と言われ、チケット売り場の中の部屋の方に回された。

その部屋に入ると、10人くらいの外国人が座って待っていた。

僕もそこに座って待つ事、、、、30分。

誰一人チケットの手続きをやってもらえない。。

一体何待ちだったのか、30分後にようやく職員が現れ、手続きが始まった。

さらに待つ事20分。。

ようやく僕の番になった。

駅員が、カチャカチャと列車の席を調べる。

「ダメだ、今日はもう満席だ。」

「ええ~~?!

ちょっと、今日行きたいんだからなんとかしてくれよ。」

「う~ん、じゃあ席なしでもいいか?」

『7時間半席なしの移動か。。

さすがにそれは辛そうだな。

でも行けないよりはましだろう。』

ということで、135Rでチケット購入。

チケットを買うだけで、掛かった時間1時間40分。。

正直疲れるな~インド。

ようやく列車に乗れる事になった。

が、やたらと長い列車で、どの車両に乗っていいか分からない。

適当に乗り込んでみると、

「ここは予約席だ。」

と言われた。

その辺の駅員に聞いてみると、

「あっちだ。」

と言われた。

その”あっち”へ言ってみると、また

「あっちだ。」

と言われた。

『一体どこなんだよもう、、』

と思いながら、また別の人に尋ねると、

「これはキャンセル待ちのチケットだから、これじゃ乗れないぞ。」

と言われた。

「ええ~~!?

そんな事言ったって、もう金も払ってんだから、今さら乗れないって言われても困るぞ、、。」

するとそいつは、誰かに金を払えば大丈夫みたいなことを言い出した。

『ようは賄賂を払えってことか、、?』

もうそいつの言ってる事はよく分からなかったので、他の人に尋ねてみた。

すると、

「この車両だったらどこに座っても大丈夫だ。」

と言って、チケットに何か書いてくれた。

が、字が汚過ぎて読めない。。

歩いて探してみると、二等席の車両を発見。

『もう、この車両で席なしでも何でもいいよ。。』

と思いながらドア付近に立っていると、

「あそこが空いてるからあそこに座れ。」

と言われ、それに従い席をゲット。

窮屈ではあったけど、なんとか座席を確保し、バンガロールへ行く事が出来た。

始点のチェンナイセントラル駅から終点のバンガロール駅まで7時間半、結局誰もチケット確認に来なかった。

インドの駅はもちろん改札もない。

『これってチケットなしで乗ってる人結構いるんじゃねえの、、?』

という考えが頭をよぎった。

ということで、かなり疲れはしましたが、ようやくインド英語留学の地、バンガロールに到着。

明日、入学の手続きをしに、学校へ行って来よう。