『酒っ!!肉っ!!』
ネパールに着いて、最初に目に飛び込んで来たのは、インドでは中々見かけない酒屋と、肉料理のメニューだった。
断っておくが僕は別に、酒や肉に目がないわけではない。
酒は月1~2回飲めれば充分だし、肉料理も別にないならないで構わない。
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そう思っていた。
が、それはあくまで、いつでも酒が飲めて、いつでも肉を食べることが出来る状態での話だった、ということに気づかされた。
僕は、ネパールに入るまでの5日間、インドのリシケシュで過ごした。
リシケシュは、ヨーガ発祥の地と言われており、ヒンドゥー教にとっても聖地とされている。
ヒンドゥー教において、酒や肉料理はタブーというわけではないが、あまりよくないものとされている。
普通のインドの街に行けば、酒や肉料理を楽しむことは出来るが、こういった聖地では、酒や肉料理を出す店は一切ない、ということがある。
リシケシュでも、僕が見た限りでは、酒や肉料理を出す店は一つもなかった。
『そんな所で5日間も過ごすなんて、耐えられない。』
そう思う方もいるだろう。
が、さっきも言ったが、僕は別に酒や肉が大好きなわけではないので、まあ問題ない。
そう思っていたのだ。
が、、、
3日も経つと、異様に酒や肉を欲するようになって来た。
(リシケシュに来る前、ムンバイでベジタリアンの方の家で4日間お世話になっていた。その後デリーで体調を壊したため、6日間程酒や肉料理を控えていた。なので、リシケシュに来た時点で既に、10日くらい禁酒菜食生活を続けていた、という要因もある。)
『どこかに、酒や肉を置いてる店はないのか、、、?』
そう思い、探しまわってみるが、当然見つからない。
ベジタリアンメニューで腹を満たそうとするが、何か物足りない感覚が残る。
そこで僕は、普段あまり買わない炭酸飲料やアイスクリームなどを買い、欲望を満たした。
(以前リゾートバイトで、数ヶ月間超質素な生活をしていた時もそうだったが、質素な生活を続けると、やたらと甘いものを欲するようになる)
以前、仏教の修行者達はなぜ、飲酒や肉食を禁止するのか、という話を聞いたことがある。
仏教とは元々、悟りの境地に至ることを目的としている。
仏教の修行者達とは、悟りの境地に至るための修行をしている集団だ。
悟りの境地に至ることが目的なのであれば、悟りの境地に至りさえすれば、その途中で酒を飲もうが、肉を食おうが、別に構わない気がする。
が、それでもなぜ、あえて飲酒や肉食を禁止するのかというと、それは自分でも気づいていない欲望に気づかせるためだ。
人は、禁止されればされる程、それが欲しくなってしまう。
禁止される前は、大して欲しくもなかったものが、禁止された途端、急にそれを求める欲望が湧き上がって来てしまうのだ。
光を当てることによって、初めて影の存在を意識することが出来るように、何かを禁止することによって、初めて自分の欲望を意識出来るようになる。
そのために、飲酒や肉食を禁止するのだ、と。
今回僕は、その理屈を体感として学ぶことが出来た。
『さすが、伊達に聖地じゃないぜ、リシケシュ。。』
さあ、そんなこんなで、遂に約4ヶ月間お世話になったインドを離れ、ネパールにやって来た。
初めてネパールにやって来た感想は、
『ここ、インドじゃね??』
まあ、まだインドとの国境の街、マヘンドラナガルにいるので、インドとの違いが大して見当たらない。
酒屋がやたらと目立つくらいだ。
朝8時過ぎくらいに国境を越えて、この街にやって来た。
これから6時間半程休んで、14時25分のバスに乗って、ポカラという街へ向かう。
約20時間のバス旅だ。
ちなみに、この国境の街に来るまでに既にバスで10時間掛けて来ている。
そのバスがまあひどかったので、昨日はほぼ一睡もしていない。
おまけに、バスで来た道が土ぼこりで空気が悪く、喉を痛めてしまった。
喉が痛くなったら、ついでに頭も痛くなり、しまいには熱まで出て来てしまった。
これからさらに倍の時間、バス移動するとなると、ちょっと憂鬱になって来るが、何もなさそうな国境の街で一泊するのもなんなので、6時間半後にはこの街を出ようと思います。
では、疲れたので寝ます。
PS.
これをアップしてる時点では、もうポカラに着いちゃいました。
相変わらず、ネット環境の確保は中々難しい。
ちなみに寝過ごしてしまい、1日1本しかないポカラ行きのバスに乗り遅れる、というアクシデントがありましたが、結果的になんとかなりました。
その辺もまた、時間があれば書こうと思います。