『インド好きが他人にオススメしたくない国、それがインド』
これは、僕がインドに来る前に、色んな旅人達から聞いた情報を繋ぎ合わせて、導き出した定義だ。
僕が、
『死ぬ前に必ず一度はインドに行きたい!』
そう強く思うようになったのは、あるインド好きの女性の話を聞いたのがきっかけだった。
その女性は、僕が勤めた短期派遣先の同僚で、以前インドに住んだことのある方だった。
その方が語る、インドの魅力に惹き込まれ、僕はインドに強い興味を持つようになったのだ。
そして、実際にインドに行くことが決まって、その女性に、
「僕も遂にインドに行くことになりました!」
と連絡したところ、
「最近何かと母性が働く私としては、あまりオススメしたくないところだけどね、、。」
という反応が返って来た。
その時に、僕は思ったのだ。
『インドとは、インド好きですら、他人に勧めるのをためらう国なのだ。』
と。
そして、初めてインドにやって来た初日に、僕はその意味を体感した。
『ああ、、これは人には勧められんわ、、、(苦笑)』
僕は、それ以前にも、東南アジアなどを旅したことがある。
東南アジアも、日本人の感覚からすると、かなりめちゃくちゃなところが多い。
が、
『海外に行ったことない人も、ぜひ一度、あのめちゃくちゃ感を味わってほしい。
あのめちゃくちゃ感を一度味わえば、確実に視野が広がるから!』
そういう思いを込め、東南アジアの旅を、色んな人にオススメしていた。
しかし、インドは違った。
『ああ、、ここはちょっと、今までとはレベルが違う、、、。
このレベルのめちゃくちゃ感を味わってしまったら、かなりの確率で海外が嫌いになってしまうだろう。。』
僕はそう感じた。
そして、インドに来て3日間で、色んなインド人にダマされ、ぼったくられ、僕はインドが嫌いになってしまった。
僕はその時点で、インド好きの人の気持ちは理解出来なかったが、少なくとも、『他人にオススメしたくない国』という点においては、自分の定義は間違っていなかった、と思った。
『インドに行った旅人は、2つに分かれる。
インドが大好きになるか、インドが大嫌いになるか、のどちらかだ。』
これも、旅人達の間でよく言われることだが、僕は、インドを大好きになる人の気持ちが、理解出来なかった。
さて、そんなレベルの高い国インドで、初めて出来た日本語を喋れるインド人の友達。
ネットで知り合ったその友人Mさんと、今回初めて顔を合わせる。
僕は、待ち合わせ場所の『THANE』駅に着いて、Mさんに電話をした。
Mさんの姿は、ネット上の写真で見たことがあった。
僕は何となく、背の高い女性をイメージしていたが、実際に現れたMさんは、思ったよりもだいぶ小さかった。
Mさんは普段、日本語とサンスクリット語を教える教師をやっている。
Mさんの日本語は、文章で見る限りは、かなり上手かった。
が、日本人相手に日本語で喋ったことは、ほとんどないらしい。
日本人の友人も、僕が初めてだと言っていた。
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④み
僕は早速、日本語で話しかけてみた。
正直、
『会話の練習をほとんどしたことない外国人の日本語など、たどたどしいものだろう。』
と思っていたが、全然そんなことなく、発音も聞き取りやすく、普通に日常会話が成立するくらいに、上手かった。
Mさんは、キムタクの大ファンで、時間があるときはいつも、日本語の勉強か、キムタクのドラマを観て過ごしているらしい。
キムタクに対する情熱だけで、ここまで喋れるようになるなんて、、
しかも、日本語の先生にまでなってしまうなんて、、すごい。。
僕たちは、THANE駅からリキシャに乗って、とある団地の一室にやって来た。
その部屋は、Mさんの友人のお母さんが住んでいた部屋だが、今年の春、そのお母さんが亡くなってしまい、今では空き家になっている所らしい。
Mさんは僕に、
「ムンバイ滞在中は、この部屋を使って下さい。」
と言って、その部屋の鍵を渡してくれた。
『風通しのいい、2LKの部屋を、一人で丸々?!
い、いいんですか?!』
僕が、この4ヶ月間滞在して来た中で、最もいい住環境だった。
僕は、荷物を下ろし、少し休憩した後、Mさんの友人の家に向かった。
Mさんの友人の家のドアを開けるなり、
「どうぞいらっしゃいませ~。」
と日本語で言われた。
Mさんの友人も、多少だが日本語を話せるらしい。
僕は、Mさんの友人の作った、ハーブ風味のチャイや、インドスイーツをごちそうになった。
暫くすると、若い女性とそのお母さんがやって来た。
(ちなみにだが、Mさんは僕より一回り以上歳上だ。どちらかというと、Mさんの息子さんの方が、僕とは歳が近い)
その若い女性は、関西の大学で経済学を教える講師らしく、日本人並みに日本語がペラペラだった。
今まで、日本語を喋れるインド人なんて、ほとんど出会わなかったけど、(出会ったとしても、怪しい日本語を喋るお土産屋さんぐらい)いるとこにはいるもんだな~、と驚いた。
その後僕たちは、Mさんの友人宅を離れ、Mさんの自宅に向かった。
Mさんの自宅で、Mさんの旦那さんと3人で、Mさんの手料理を食べた。
ちなみにMさんはベジタリアンなので、全て肉なしのメニュー。
しかも、Mさんはインド人にも拘らず、辛いのが苦手。
なので、料理は刺激の少ない優しい味だった。
お腹を壊した時に、この料理を食べれる環境があれば、どれだけ救われたことか。。
(インドでは脂っこい料理や、辛い料理ばかりなので、お腹を壊した時に食べるものがなくて結構苦労する)
甘い味付けの料理が多かったが、インドに来てから甘いものをあまり食べていなかった僕にとって、すごく美味しく感じられた。
Mさんの手料理をごちそうになった後、僕は一人、借りている団地の部屋に帰った。
(2LKの部屋に一人帰ると、旅中にも拘らず、一人暮らししてるような気分だ。
ちなみに、Mさんの家からは徒歩5分程度。)
さて、翌日はムンバイ市内観光。
楽しみだ!