インドに来て、ちょうど一ヶ月半が過ぎた。
インドの生活には、もうすっかり慣れて来たんだけど、未だにあまり慣れないものもある。

インドの食生活だ。
最近は、近所に二軒、わりとおいしい店を発見したので、毎日そのどちらかの店に通っている。
そのお店の料理を毎日おいしく食べているので、インドの食生活にもすっかり馴染んで来た、と思い込んでいた。

が、よくよく考えてみると、ここ最近僕が頼んでいる料理は全て、中華料理であったことに気がついた。
僕の身体は、知らず知らずのうちに、インド料理を拒絶していたのだ。

一体なぜ、僕の身体は、インド料理を拒絶してしまっていたのだろうか?
確か、インドに来てから2~3週間くらいは、結構頻繁にカレーを食べていたはずだ。

で、カレーを食べた次の日、結構な確率で、カレーに似たものが尻から出ていた。
その苦痛を、身体が記憶していて、無意識的にインド料理を避けるようになっていったのだろう。

ちなみに僕は、辛い料理は大好きだ。
韓国にいた頃も、韓国人よりも辛いものを食べていた。

ただ、悲しいことに、お腹の方はあまり丈夫ではない。
なので、自分の好みの辛さの料理を食べた次の日は、大体お腹を壊してしまう。

韓国時代は、それでも構わずに、毎日激辛料理を食べていた。
そして、毎日大量の赤い下痢を出していた。(世界のトリビア*韓国で生活していると、便が赤くなります)

で、韓国に行って3ヶ月で、7キロも体重を落としてしまった。

そんな過去の経験が、身体に染み付いてしまっているのだろう。
最近では、お腹を壊しそうなものは、なるだけ身体が避けよう避けようとしてくる。

とは言うたものの、最近もお腹の調子は良くない日が多い。
なぜなら、安全そうなチャーハンとかにも、大量の唐辛子が入ってたりするからだ。

インド人は、料理に何かと刺激物を加えたくなるらしい。
で、そんなの出されたら、僕も辛いもの好きだからついつい食べちゃう。
で、次の日またお腹を壊す。
それの繰り返し。

でも、さすがにそれも嫌になって来たので、もっとお腹に優しそうなものを食べたくなって来た。
『出来れば、うどんとかそばのような、温かい汁物の麺類が食べたいな~。
そうだ、日本の麺類が食べたい!!』

そんなことを考えていたある日、僕が通っていた英語学校の生徒である、日本人の女の子から、とんでもなく嬉しいものをもらった。

その英語学校に通っている日本人の学生は、ほとんどが旅人だったが、その女の子だけは駐在員の娘さんだった。
その子が学校に通う時は、インド人の運転手が送り迎えしていた。
リキシャの運転手相手に、10ルピーでも安く値段交渉をしてる僕らとは、かけ離れた生活だ。

で、その子の家では、毎月日本から、日本の食材を取り寄せているそうだ。
その中の食材を一つ、分けてもらったのだ。

で、何をもらったのかというと、、、

『日清ラ王(豚骨味)』だ!

こ、これは本当にありがたい!!

まあ、お腹の調子が良くない時に、豚骨味のインスタントラーメンなんて、日本にいる時は食べたいと思わないが、、。
でも、ここインドでは、これでも物凄くありがたくみえてくる。

とりあえず、スパイス系の刺激物が入っていないものを食べられるだけで嬉しい。
なんといっても、久々の日本の味が食べられるのが、何より嬉しい。

ということで、早速『日清ラ王』を頂くことにした。

まずは、ラ王の外袋を破る。
『おおっ!この程よい破り心地は素晴らしいな!』

インドのインスタント麺は、中々破れなかったり、逆にのり付けがゆるっゆるだったりするものも多いので、袋の破り心地にまず感動した。

次に、スープの粉を、丼に入れる。
『おおっ!「こちら側のどこからでも破ることができます」なんて、すごいぞ!!』

ユーザー視点に立った、きめ細やかな商品作り。
さすがジャパンクオリティだ!

まあ、そんなことはどうでもいい。
肝心なのは味だ。

完成したラーメンが、ゆらゆらと湯気を立てながら、独特の豚骨臭を漂わせている。

『う、美味そうだ。。』

僕は早速、久々の豚骨ラーメンをズズズズーっとすすった。

『う、うま!!
なんだこれ?!美味すぎるぞ!!

まるで生麺じゃないか!!』

僕は、大事に大事に噛み締めるように、少しずつ少しずつすすりながら、久しぶりのラーメンの味を堪能した。
いや~、こんなにラーメンが美味いと思ったのは、いつ以来だろうか。

やっぱり、海外でどれだけ毎日おいしいものを食べていたとしても、一定期間経つと日本食が恋しくなってくるなあ。
日本食ってやっぱすごいわ。

まあ、今日はとりとめもないラーメンの話でしたw

PS.
以前、日本人の無駄を排除する仕事ぶりが、孤独感を生んでいるというような話を書いた。
でも、その仕事ぶりが、このようなジャパンクオリティを作っていると考えると、『無駄を排除するってのも無駄じゃないよな、、』なんて思ってしまう。

なんでも善し悪しだよな~。